更新:2024/02/19
ビスケットの語源はラテン語で「二度焼かれたパン」。そう、ビスケットの起源はパンにあります。1万年前の石器時代、人類は穀物をパンやビスケットの形で食べるようになりました。
日本に上陸したのは、1543年。種子島に漂着したポルトガル人が鉄砲やカステラとともに運びます。当時、ビスケットは日本に来た船が自国に戻る際の食糧としてつくられていたと思われますが、記録はありません。脚光を浴びたのはそれから300年後の幕末。「保存が効く」点に注目した水戸藩士・柴田方庵が、長崎留学中にオランダ人から学んだビスケットの作り方を手紙にして1855年2月28日に水戸藩に宛てて送付しました。これが日本における最も古い記録です。この史実と「二度焼く」の語呂から2月28日、全国ビスケット協会によりビスケットの日が制定されました。
歴史を振り返れば、新大陸を発見したコロンブスも、世界一周を成し遂げたマゼランも、長い航海でも「保存が効く」ビスケットを大量に持ち込み、偉業を達成しました。さらに、工場労働者にその腹持ちのよさ、満腹感のなさで仕事への集中力を高めイギリスの産業革命を支え、現代の日本では、非常食である「乾パン」もいざという時にも心強い存在です。
そして、主原料の小麦粉に含まれる三大栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、カルシウム、ビタミンA、B1、B2まで栄養満点。消化もいい。朝食代わりにしたり、ダイエット食になったり。携帯性にもすぐれ、食べやすい。ビスケット。それは、単においしいお菓子という価値を超え、マルチに大活躍する「食」。もっと日常に取り入れられそうですね。
ちなみに、ビスケットには、お馴染みのビスケットであるハードビスケットのみならず、クッキー、クラッカー、プレッツエル、パイ、乾パンなどが含まれるので、以後お見知りおきを。
さあ、お気に入りのビスケットを買ってくるもよし。薄力粉や中力粉ではなく全粒粉で手作りし、より小麦の風味の豊かさや焼き立てのサクサク感を楽しむもよし。ホットドリンクをおともに、それに浸したりしながら、心まであったかくなるひとときをどうぞ。
「全国ビスケット協会」のHPでは、ビスケットの奥深い魅力、おすすめ簡単レシピ、アイデアレシピまでを多彩に紹介。ぜひ、覗いてみてくださいね。
全国ビスケット協会