2月2日は、お麩の日。
秘められし無限のポテンシャル!?

更新:2023/01/31

もしあなたが、お麩(ふ)といえば、味噌汁や煮物やすき焼きに入れるものだ…程度の印象しかお持ちでないとしたら、ちょっともったいないかもしれません。

 

中国発祥で、小麦粉を水で練って生成されるたんぱく質(グルテン)のかたまり「麪筋(メンチン)」が原形のお麩。(「麩」の字が難しいのもこれに起因します。)

日本では室町時代に伝来し、京都の寺院や宮中を中心に発展。精進料理に使われるようになります。肉食禁断の仏僧の間では、お肉代わりの貴重なたんぱく源でした。

 

お麩は、茹でたり蒸したりしてつくるモッチリ食感の「生麩」と、焼いて乾燥させた「焼き麩」に大別されます。江戸時代の「焼き麩」誕生は、焼き方や細工の仕方でさまざまなバリエーションを生み出す意味で革新的で、以後、日本各地でご当地独自のお麩づくりが盛んになり、ルックスも、食感も、調理法も多様性を極めるのです。お味噌汁の中で見かけるお麩も、この「焼き麩」ですよ。

 

現在、全国にはなんと100種類ものお麩が存在。山形県の「庄内麩」は板状で、新潟県の「車麩」はタイヤ型、ほかにも星形、まんまる、お花形…まであり、一品に華を添える飾りにもなっています。B級グルメも生まれ、油で揚げた油麩を使った宮城県の「油麩丼」は、カツ丼のような見た目で卵の旨味と麩の出汁が絡む絶品。ファンクラブもあるとか…。またある時お麩は、お菓子やスイーツにも変身。「麩菓子」がその代表格ですが、愛知県の「麩饅頭」もメジャー。郷土料理にもたくさん潜んでいるので、発見してみてくださいね。

 

まさに変幻自在なグルテンの可能性をほしいままにして発展した日本のお麩。炒めたり、お肉代わりにして肉じゃがに入れたり、ラーメンの具にしたり、お麩ラスク、麩(フ)レンチトーストなどなど、なんでもアリ。お麩の柔軟性は只者じゃありません。2月2日。2(ふ)が並ぶことから生まれた「お麩の日」。ぜひ、お麩との新しくてもっとおいしい出会いを楽しんでみては…?

 

「全国製麩工業会」のHPでは、さまざまな「お麩レシピ」を公開しているので、要チェックですよ。

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記念日制定団体からのメッセージ

今年、令和5年2月2日は麩屋にとって特別な麩の日。昭和46年、全国の麩屋480社が静岡県熱海に集結し設立した「協同組合全国製麩工業会」。法人化した目的の一つとして原材料の共同購入を行い会員に卸すなどの収益事業を行うという構想がありました。
それから50年、現在では会員が73社となりました。50年という期間での生活環境の変化、食文化の変化の中、私達は伝統食品である「麩」を組織創世期からの先人、諸先輩方々のご苦労を無駄にすることなく、形は変わっても「麩」文化を守り続け、麩事業を維持、継承、発展して行かなければなりません。令和5年2月2日は、協同組合を解散し、新しく任意組合として生まれ変わった記念すべき麩の日です。組合員、規約、活動自体の全て引き継ぐことにより、今まで通り、いやそれ以上に食の安心安全、そして消費者の信頼を確保するため、麸の啓蒙活動や情報提供、そして農林水産省や経済産業省、消費者庁など関連省庁との調整を行い、麩屋・麩業者の信頼性向上、地位向上を目指していきます。
今後も全国製麩工業会並びに会員に対しご指導ご鞭撻、そして我々が製造・加工する麸に対するご愛顧、よろしくお願いいたします。
(理事長 田代徳太郎)