更新:2024/04/08
2011年。日本の家庭におけるパンの消費額が初めてコメを上回りました。以来、現在までパンの消費額は増加しています。なぜ、西洋由来の「パン食」が日本で一般化したのか?その要因はいまから150年前にさかのぼることができます。
日本でパンがつくられるようになったのは江戸時代。当時の欧風硬焼きパンは日本人の舌に合わずなかなか流行りません。転機となったのが、それから約30年後の「あんぱん」誕生です。酒まんじゅうをヒントにつくられた木村屋の「酒種あんパン」は、日本人の大好きなあんこを包む斬新さで空前の大ブームに。そして、モチっと柔らかく、コメを主食とする日本人好みの口当たりの良さがありました。なお、2023年、硬いパンの代名詞たるフランスパンを生んだフランスで、日本の柔らかいパンが大ブレイク中。グルメ大国のお墨付きも得ている食感なのです。
あんパンを皮切りに、クリームパン、メロンパン、カレーパン、焼きそばパンなど、欧米にはない日本オリジナルのパンが次々に発明されていきます。パンの歴史がヨーロッパに比べて遥かに短いからこそ、パンの固定観念にとらわれなかった日本。多くの外国人が驚くほど味も見た目も多種多様なパンの開発・普及により、パン食が日常の風景になっていくのです。
4月12日は、パンの記念日。砲術の研究家である江川太郎左衛門が1842年4月12日に日本で初めてパンを焼いたことに由来し、1982年に定められました。まさに、白いご飯におかずをあわせるくらいのカジュアルさで、たとえばお刺身、塩辛、わさびなど「和」の食材や調味料を添えたりと、自分流にパンをアレンジしてはいかがでしょうか?日本には、自由自在にパンを嗜む文化がある。そして、小麦粉を主原料に生まれるフワフワとやわらかいパン生地が何でもおいしく包み込んでくれる。できれば小麦の香りが際立つ焼き立てで、いつも以上に豊かなパン時間に酔いしれてください。
「パン食普及協議会」では、さまざまなパンの魅力を紹介。HPやyoutubeをチェックしてみてください。知識を深めれば、より味わいも深まりますよ。
パン食普及協議会