小麦な生活

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なぜパンは膨らむのか

なぜパンは膨らむのか

※窯伸び:オーブン内でパン生地が膨らむこと。オーブンに入った生地の発酵は生地温度が60℃くらいに なるまで続く。発酵によってできた二酸化炭素の気泡が加熱されてさらに膨張するのにともない、 それを包んでいるグルテンの膜も伸びてパンのボリュームを大きくする。


1. 膨らます

Batard(バタール)
太くて短いフランスパンで3本の切れ目が目印。 細長いBaguette(バゲット)は皮がバリバリしているが、 Batard(中間の意)は身がしっとり柔らか。砂糖や油などはいれず、グルテンが少なめの準強力粉か中力粉を使う。 Baguetteと同じ生地を使っても形によって味わいが変わる。

生地内の気泡が大きく数が少ないと噛みごたえのあるもちもちしたパンになり、 気泡が小さく数が多いと軽い味わいの柔らかいパンになる。焼きたてのフランスパンは皮がバリッとしていておいしく、 しばらくたつと皮の香りや風味が身に移ってまたおいしい。ただし、 6時間以上たつとクラストの水分が移って皮がゴム状になり噛み切りにくく、身がパサパサになってしまう。

Dutch Baby(ダッチ・ベイビー)
泡立てたの卵と小麦粉と牛乳から作られるさくさく、 ふわふわとおいしい米国のパンケーキ。鉄鍋に入れた生地をオーブンで焼くとプクーっと膨れる。 冷めるとしぼみ、お皿の様な形になる。レモンと粉砂糖をふりかけ、果物をのせたり、シロップをかけて食べる。 ドイツからの移民が始めた家庭経営のレストランで作られ始め、1942 年にはDutch Baby という名称が使われていたという。 名称の由来は諸説あり、17~8世紀にドイツ等から米国に移民した人々は“Dutch”と呼ばれ、 古い言葉では“Dutch”は「ドイツの」という意味だったといわれている。

よく泡立てた卵の入った生地を熱した高温の鉄鍋でオーブンで焼くと水蒸気が膨張に大きく膨れるが、冷めるとしぼむ。直火で特に高温で熱された部分の生地が固定化されてふちとして残る。