町の小さなパン屋さん まとめ
今回お話を伺った地元密着型の「町の小さなパン屋さん」は、偶然ですが、6軒とも新規に起業してパン屋さんをはじめたお店でした。
どうして「町のパン屋さん」よいう職業を選択したのかを伺い、その職業観をまとめてみました。「町のパン屋さん」という職業にたいする見方がちょっと変わってきませんか?
● 特に女性はパンが好きだからという動機が多く、
パンの食べ歩き→パン教室に通う→自宅で焼いて近所におすそわけ→売ってほしいと頼まれたという経緯でパン屋さんを始める場合が多いようだ。
● 男性は、「奥さんがパンを焼いていた」ことをきっかけに起業するなど。
● パンづくりは自己表現、パンは作品。店舗は自分の世界観を表す空間。小麦の造形性や形態の多様性が、創造的な人々を魅きつけるのではないか。
● お客さんが目の前で作品であるパンを喜んで買ったり食べてくれることがパン屋さんの「生き甲斐」となっている。
●「町の小さなパン屋さん」は生活者視点。「自分自身が食べたい」おいしくて安全なパン、パンのあるゆったりした暮らしを町の人に提供する。
● 自分や家族、身近な人の健康への気遣いから食の仕事に携わる人も少なくないのではないか。
● 自分の意志で起業した「町の小さなパン屋さん」は自立志向が非常に高く、働き方を自分で決められる自己裁量性の高い仕事として選択されている。
● パン屋さんの仕事は体力がいり、長時間労働だが、自分で決められるという点において自在感、開放感があるようだ。
● 職住接近の働き方/暮らし方の1つとしてパン屋さんが選択されている。
● 姉妹・兄弟や夫婦がお互いに助け合って、仕事と、子育てあるいは介護との両立ができる職業である。週2、3日の営業や、不定期の営業など、ライフステージに合わせた柔軟な働き方が可能である。
● 仲間のネットワークを基盤に楽しく活動する自由業的な「町の小さなパン屋さん」が増えているようだ。
● 店舗づくりや仕事を手伝ってもらったり、アート作品を店舗で販売する等、友人・知人・お客さん≒ビジネス仲間といった人と人の横つながりが大切にされている。
「町の小さなパン屋さん」に生まれている兆しの中からいくつかを選び、この先こんなパン屋さんが生まれるのではないかと、夢をふくらませて予想してみました。街での暮らしをより楽しく豊かにしてくれるパン屋さん。さて、これからどんな「町の小さなパン屋さん」がうまれてくるでしょう?とても楽しみです。
● 自己表現の場としてのパン屋さん
● 心地よい空間の提供
「お茶飲みパン屋」
盆栽や花を育てている自宅の庭を解放し、縁側でパンと飲み物を販売するパン屋さん。
町の人においしいパンとくつろぎの場を提供。夜にはホタルの光や線香花火も楽しめる。
● 女性の起業
● 育児・介護と両立
● おすそわけパン
町の女性がコラボで日替わりパン屋さん
パンづくりが大好きな女性が数人で起業。日替わりでパンづくり&販売を担当しオリジナルパンを提供する。おすそ分けパンの集大成。
● 町の食アドバイザーとしてのパン屋さん
● 学校への出張販売
パン屋さんが地元小学校で食育授業
町のパン屋さんが小学校の授業で食生活やパンについて講義し、パンづくりの実習の先生も担当。
生徒が開発したレシピのパンを学校で出張販売。生徒の販売実習も。
● パンの受注販売/宅配サービス
● 買物難民救助
町の小さな「パンの宅配屋」さん
足の弱いお年寄りや育児で忙しいお母さんにパンを配達する。
オリジナルデザインのお誕生日・お祝い用装飾パン、歯が悪い方、塩分・糖分制限の方向けのパンも提供。
● 地元の商店や食品メーカーと連携
● 「日本ならではのパン」
自分の好きなお惣菜や町の名産を挟んでもらえるパン屋さん
パン屋さんと商店街のお店がコラボ。その場で好きなお惣菜やお菓子屋さんのあんこやお刺身などを、好きなパンに挟んだり、載せるなどアレンジしてもらえる。
● 表現の場の提供
● 集う空間の提供
● 仲間(芸術家)とのコラボ
音楽を聞きながら買物を楽しめる「食べられるパン雑貨屋」さん
パン屋さんが地元の演奏家・造形アーティストの卵とコラボ。演奏を聞きながら、「食べられるパン雑貨」(小物・アクセサリー・食器など)を買える。
● 地元の小麦を使ったぱんづくり
● 集う空間の提供
「おはなしパン屋さん」
紙芝居屋さんのように、町内の何カ所かを巡り、童話や怪談などを子どもに聞かせるパン屋さん。「おはなし」が終わると、地粉でつくった健康によい「蒸かしパン」を子どもたちに販売。
● 社会的弱者の社会参加の促進・集う空間
● 冷凍パン生地の使用
町の「いつでも焼きたてパン工房」
自宅で過ごすことの多い社会的弱者のみならずパン好きな人、高齢者、学生など多様な町民がコラボで「町のパン」を自給。町民の交流を図る。冷凍パン生地の活用も。