小麦な生活

日本らしい「パン動詞」活用へ

鎖国を続けていた日本が開国して、外国の文化が入ってきた。日本人は様々なものを取り込んで、自国のものにしてきた。日本の代表的なパン「あんぱん」は外国のパンに日本伝統的なあんを詰めたもの。「詰める」はおにぎりやおやきなどの日本の食べ物にも見られるユニークな動詞。つまり、私たち日本人は自分でも気がつかない間に、日本人ならではの働きかけ方をしているのである。日本の「パン動詞を見つけ、さらに色々な動詞を組み合わせたら、新しいパンの世界、新しい生活が生まれるのではないだろうか?


13. 詰める

あんパン・ジャムパン・クリームパン、日本の三大菓子パンは「詰める」パン。 代表的な小麦料理“おやき”もおにぎりも「詰める」食べものである。 具を詰めると同時に<思い>を詰める、甘いもの、お惣菜など、<色々なもの>を詰める。 「詰める」パンの特徴は<携帯>ができること。仕事中にかじったり、山歩きの時ポケットに忍ばせたり・・・それが日本の「詰める」パン。

■思いを詰める
■色々なものを詰める
■携帯できる

14. 容れる

パンは誕生した時、すでに“容れ物”だったという。熱い肉をパンの上に載せたり包んだり。 “容れ物”としてのパン は大きな可能性を秘めている。例えば、パーティのお皿をパンでつくる。 パンを片手に、好きな料理やデザートを入れら れるバイキングなど楽しそうだし、容器も食べられる。 贈り物を入れるかわいいパンの容れ物や、ふろしきのようにいろいろな形の食物が包めるパンもつくれそうだ。

■オール・イン・ワン
■エンターテインメント
■エコライフ

15. 彩る

日本の料理の大きな特徴は、素材を生かすこと。例えばほうれんそうや、にんじんなどを練り込んだり、 豆や刻みこんぶの色彩や形をそのまま生かす「彩るパン」。「彩るパン」は目で楽しむだけでなく、香りも楽しめそうだ。 山菜や、桜の花や菊の花、季節折々の彩りのパンは幸も運んできてくれそう。最近、色づけの方法として、 野菜パウダー、果物パウダーが用いられるようになってきているが、これは規格外野菜・果物のよい活用方法のひとつでもある。

■野菜の活用
■旬の色彩・香り
■規格外野菜の活用

16. 冷やす

冷蔵庫・冷凍庫から出してすぐ食べる「冷やすパン」。 果物が載っていたり、生クリームとあんが入っていたり、これが思いのほかのおいしさだ。 そういえば日本には「アイス最中」という涼菓がある。夏向けの涼の演出をした「冷やすパン」というのはどうだろう? 凍った果物や、涼しげな野菜ゼリーを容れたパン、冷たいカレーパンなど。スイカの横に置くとぴったりな、 浴衣姿で食べたくなる「冷やすパン」。パン売り場の風景も変わってきそうだ。

■涼の演出
■夏の食材との組み合わせ
■冷蔵庫・冷凍庫に入れるパン