「大山こむぎプロジェクト」
事務局長 笠谷信明さん
『2010年に【大山こむぎプロジェクト】がスタートするまで、鳥取県はなんと30年もの間、小麦の収量ゼロでした。一人のパン屋のシェフの地域にかける思いから、このプロジェクトはスタートしました。』と語っていただいたのは、【大山こむぎプロジェクト】で事務局長を務める笠谷さん。
「大山こむぎ」は鳥取県の名峰「大山」をぐるりと半周ほど取り囲む地域で育った小麦のみで作られる“地域ブランド小麦粉”です。この地域の栽培に向く小麦品種を検討しながら研究を重ね、現在では「ミナミノカオリ」と「銀河のちから」という2品種の強力系小麦のブレンドで強力小麦粉に仕上げられています。「大山こむぎ」はパン屋への供給のほか、学校給食のパン用に使われているそうです。
『学校給食の現場における「大山こむぎ」の感想で、以前に比べてコッペパンを残す率が減ったという、うれしい声を聴くことができました。今はまだ県内の一部の地域でしか給食には使われていませんが、いずれ「大山こむぎ」が育まれるここ鳥取県西部も含め、鳥取県全域にお届けしたいなと思っています。』
『“自分を育んでくれた地域に感謝の思いを表したい、生まれ育った土地の小麦を使いたい”そんな思いから、シェフ自ら小麦を育てるプロジェクトが始まり、プロジェクト発足から7年を経過する間に事務局が立ち上がりました。「大山こむぎ」の根底にあるのは、出井シェフと心を同じにする“小麦を通じて地域へ恩返しをしたい”そんな思いです。今年(2017年)3月に農林水産省から「ミナミノカオリ」と「銀河のちから」の産地品種銘柄指定を受けることができました。この指定を受けると「大山こむぎ」商品を販売するときに鳥取県産と明記できますし、「大山こむぎ」畑の補助金もついて農家さんへのメリットにもなります。』
鳥取県で育まれる和麦は【大山こむぎプロジェクト】事務局が全量を買い上げ、さらに製粉・流通までも事務局が行っています。そして農家の方々の生産者部会、製粉チーム、流通チーム、「大山こむぎ」使用料理店など、「大山こむぎ」につながる地域の方々を連携させる役割を担っています。
『ゼロから始まった収量ですが、今では小麦を栽培してくれる農家さんも11農家になりました。栽培面積も今後さらに拡大していく予定です。【大山こむぎプロジェクト】では、これからの展開をもっともっと拡げていきたいと思っています。一昨年から商品開発できるだけの量も採れるようになってきましたので、家庭のホームベーカリー用パンミックス粉を開発する準備なども進んでいます。今後も「大山こむぎ」を通じて、ますます地産地消を促進させるような取り組みにトライしていきたいですね。』
◎大山こむぎプロジェクトFacebookページ
https://www.facebook.com/daisenkomugi/
◎さらに詳しい【大山こむぎプロジェクト】のお話は
和麦LABO「大山こむぎプロジェクトの現場から」をご覧ください。
https://comugication.com/wamugiGenba/tottori/
和麦名 | 大山こむぎ | ||
---|---|---|---|
成 分 | タンパク:11.5% ± 0.7% 灰 分 :0.45% ± 0.03% | ||
粉分類 | 強力粉 | ||
特徴・向く料理 | パン・麺 |
鳥取和麦アンバサダー
道乃先生
美容フードコーディネーター、美料理研究家の肩書を持つ道乃先生の料理教室「Lotta」は、“食べてきれいになる”をテーマに、女性がお料理を好きになってもらうことを応援するレッスンを展開しています。なにかと忙しい女性のために、カンタンなステップで滋養のつく料理が学べるプログラム。健やかな身体のことを考えた料理を提案するにあたり、国産の食材、できれば地域の食材にこだわっているそうです。
『「大山こむぎ」って、みなさん聞いたことありますか?そう、この地元で採れた和麦なんです。私「大山こむぎ」の風味が好きなんですよね。みなさんも今回ぜひ触って、地元の和麦がこんな感じなんだな、ということを実感してみてください。』
鳥取和麦「大山こむぎ」は、ご家庭の食卓になじみやすい料理に変身!ふるくから日本全国の各地域に伝わる郷土料理「すいとん」として、今回は和食コーディネートのレッスンメニューに組み込まれます。
『みなさんご存知だと思いますが、「すいとん」は小麦粉を練ってスープの中に浮かべるだけでできちゃう、とっても簡単な料理です。今回は卵を入れることで生地に深みを出すレシピに仕上げていますよ。さあ、じゃあ早速生地を作っていきましょう。
和麦はひとくちに“国産”と言っても、品種や地域によっても表情が異なります。人間がひとりひとり個性が違うのと同じようで、おもしろいですよね。パンづくりで経験したことがある方もいらっしゃると思いますが、レシピの分量通りに水を混ぜても生地のできあがりは一定にならないと思います。生地の様子を見ながら、ちょっとずつ水を足す感じで混ぜてみてください。』
道乃先生の説明を聞いたあとに、生徒さんたち自身の手で実際に生地を作っていきます。『先生、生地はどれぐらいの硬さになったらいいですか?』 『水と小麦粉が完全に混ざって、よくいう耳たぶぐらいのやわらかさになったら出来上がりです。生地がべたついているな、と思ったら少し小麦粉を足してみてください。でも基本、適当、でいいんです(笑)』
『適当っていいですね、ハードルが低くてうれしいです!』交互に生地を混ぜながら、順番に感触を確かめていきます。 『できあがった生地は、これまた適当にちぎって出汁スープを煮込んだ鍋に入れましょう。出汁スープに入れる根菜も適当で大丈夫で(笑)ごぼう、大根、にんじん、さといも、それに冬瓜なんかもおすすめです。今回は鳥取県の特産物のネギも入れいますよ。根菜って本当にいい出汁が出るので、味付けは塩と醤油とお酒で整えてあげればおいしくできちゃいます。』
『出汁スープのお鍋に入れたすいとん生地がふわふわっと浮いてきたらできあがり♪さあ、いただきましょう。食べるとわかるけど、ちっちゃくて薄めにちぎった方が、食感がソフトになりますよね。』 『こんなに早くて、ステップでも簡単で、時短メニューなのに栄養もばっちり!』『我が家の“おふくろの味”として、これから定番のメニューになりそうです♪』初めてすいとんをつくったという生徒のみなさんも、和麦に新しい発見を感じたようでした。
こんなに簡単にできるなんて、和麦の便利さを知りました♪
“適当レシピ”って、子どもに手がかかる主婦にはとってもうれしいです。
寒い時にほっこりとあたたまる和麦レシピ、これからの季節に重宝しそうです。
どんな具材でも合いそうだから、我が家オリジナルの味がつくりやすいです。
すいとん
◦ 大山こむぎ・・・120g
◦ 水・・・・・・・大さじ3
◦ 卵液・・・・・・大さじ2
◦ 塩・・・・・・・ひとつまみ
☆ だし汁・・・・・1200cc
☆ 醤油・・・・・・小さじ1
☆ 塩・・・・・・・ひとつまみ
☆ 酒・・・・・・・大さじ1
◦ 根菜類
調理時間約15分/4人分
鍋にだし汁を入れて沸騰させ、薄くスライスした根菜類を入れて沸騰させる。
1に残りの調味料を入れる。
☆の材料を混ぜてからこねる。冷蔵庫で30分寝かせる。
3を薄く伸ばし、沸騰させた2にちぎって入れる。
浮いてきたら塩を加え、味を整える。