前田食品株式会社
入江三臣社長
そう語るのは、埼玉県幸手市に拠点を置く製粉会社、「前田食品」の入江社長。これまで中力小麦が中心だった埼玉県に【和麦cooking教室・埼玉篇】で使われる強力小麦の品種「ハナマンテン」を、情熱を持って導入に導いたご本人です。
埼玉県は旧くから小麦食が盛んに食べられ、その生産量も全国で第5位(平成27年産)と上位県に位置しています。そんな埼玉県において育てられていた小麦は中力系のものがほとんどで、これまでに強力系にあたる有力品種の小麦はありませんでした。
『私のモットーは「身土不二」という言葉。人と土地とは切り離せない関係にあって、根差している地域で採れたものを食べるのが健康によい、という考え方です。また、小麦の使い手である地域のお客さまからも、埼玉産の強力小麦を望む声もありました。埼玉県では栽培されて来なかった強力小麦を、この地域の方に、どうしてもお届けしたい。地域の製粉会社として使命を感じ、強い思いで「ハナマンテン」の導入を働きかけました。
長野県で育成されていた「ハナマンテン」に出会い、その魅力に惹かれた入江社長は、この強力小麦と向き合うことに決めました。そして、栽培に挑戦してくれる農家さんを説得し、埼玉県の土では難しいと言われいてた「ハナマンテン」育成に向けて二人三脚でチャレンジ。幾度かの失敗を繰り返しながらも研究を重ね、現在では290トン(平成27年産)もの生産量に拡大しました。
『「身土不二」の思いを実現するにあたり、追究したのは食の安心安全です。「ハナマンテン」は、農薬や化学肥料の使用をできる限り抑えた農法を採用しました。だから、皮ごと製粉する全粒粉もとてもおすすめ。地域の方へ、これからも安心安全な地粉を。埼玉の和麦を通して、地域の笑顔の和を広げていきたいです。』
前田食品株式会社HP http://maedashokuhin.com/
和麦名 | ハナマンテン | ||
---|---|---|---|
成 分 | タンパク:10.2% ±1.0% 灰 分 :0.46% ±0.05% | ||
粉分類 | 強力粉 | ||
特徴・向く料理 | ・パンにすると風味がよく、小麦の旨みを味わえます。モチモチとした食感が特徴です ・菓子パンやハード系パンにおすすめです ・ラーメン、パスタ、ピザなどにもおすすめです |
埼玉和麦アンバサダー
吉永麻衣子先生
と、開口いちばん安心なお言葉を発する和麦アンバサダー吉永先生。「ドデカフォカッチャ」は、和麦アンバサダー吉永先生が考案した「ドデカパン」のフォカッチャ版。 びっくりするほど簡単に、信じられないほど美味しいパンが出来上がるという、うれしいレシピです。その工程は、材料をただ混ぜる!⇒発酵は冷蔵庫におまかせ!⇒ 翌朝焼くだけ!と、本当に簡単! さてさて、「ハナマンテン」はどんな「ドデカフォカッチャ」に焼きあがるのでしょうか!?
『ハナマンテンと塩とイーストと水、以上。という、これ以上そぎ落とせないシンプルな材料のレシピで、和麦の味わいを十分に引き出します。油を入れるとふんわりするんですが、お子さんが毎日食べる、ということ念頭に置いているため材料からは外してあります。でも、これだけふんわりするでしょ、ということが焼き上がりを見るとわかると思います!』
和麦アンバサダー吉永先生の教室はお子さま連れでの参加もOKで、ママさんである生徒さんの参加も多いそう。レポート取材の日も実際にお子さま連れで参加されている方が数名いらっしゃり、アットホームで和やかな雰囲気。
『計量がめんどうという方の声を多く聞きますが、レシピ分量の強力粉・ドライイースト・塩を何回か分をまとめて測って、ビニール袋に入れたものたくさん作っておくと便利ですよ。そうするとパンづくりをする際には仕込み水を測るだけ、という状態に。こういうちょっとしたことで、パン焼きが持続するかなと思います。』といった、忙しいママにうれしいパンづくりアドバイスが、レッスンでは随所に盛り込まれています。
『塩とお水はちゃんと測った方がよいですが、イーストの量はゆるくて大丈夫です。ママが毎日お味噌汁をつくるときに厳密にお味噌の量って測らないですよね?イーストが多く入ればふわふわになるし、少なければもちもちになる。毎日ちょっとずつ違った味わいが、かえって家庭らしい味、そんな心持ちでパンづくりに気軽にトライしてほしいですよね。』
『つくり方は、“ぐるぐる混ぜる”というただそれだけで、コツもなにもいりません(笑)ひとつだけ大事なのは、生地を取り出す時に打ち粉を多めにふること。フォカッチャは加水が多くないものもありますが、この「ドデカフォカッチャ」はドロッとした水分の多い生地なので、扱いやすい分量の打ち粉をふってくださいね。』
焼き上がったばかりの「ドデカフォカッチャ」がオーブンからテーブルへ!甘い香りが教室中に広がり、『この瞬間がいいよね!』と、あちこちから声があがります。
『埼玉和麦「ハナマンテン」は、この独特のもっちもち感、甘い香りがたまらなくおいしい味わい!混ぜて焼くだけの簡単レシピな「ドデカパン」で、毎日の食卓にぜひ和麦を取り入れてみてくださいね。』
新しい和麦が出来た生い立ちや、その生産者製造者の思いが聞けて勉強になりました。 「身土不二」の考えを聞けて嬉しかったです。地産地消の考え方に共感を持ち、勝手に親近感をおぼえました(笑)
初めて知ったこと、知っているつもりだったのにさらに詳しくなれたこと、たくさんありました。 同じ国産小麦でも、北海道産のものとくらべると少しお高いので、なかなか手が出なかったのですが、同じ国産でもそれぞれのよさがあることがわかりましたので、今後は積極的に使っていきたいなと思いました。
大変丁寧なお話で粉のこと、粉ができるまでの思いなどを聞くことができてハナマンテンの魅力がよくわかりました。品種や産地、成分の一般的な情報だけでなく、和麦ができるまでにいろいろな背景があることを再確認し、とても勉強になりました。
小麦粉ひとつにこんなにドラマがあるんだと思うと、またパンやお菓子を作ることにも気持ちが入る気がしてきました!
ドデカフォカッチャ
○ハナマンテン・・・・・・・ 180g
○塩・・・・・・・・・・・・ 3g
○インスタントドライイースト 2g
○水・・・・・・・・・・・・ 150g
調理時間約15分/2人前
保存容器に粉、塩、イーストを入れてスプーンで混ぜ、水を8割ほど入れてぐるぐる混ぜる。
残りの2割を粉っぽいところに入れて全体がなじむように混ぜ、ふたを閉めて冷蔵庫で8時間寝かせる。
粉を振り、オーブンシートの上に生地を出して三つ折りにする。
オーブントースター1200wで15分焼く。
レシピポイント
水分量の多い生地なので、国産小麦をいろいろ試すにはぴったりのパンです。いろいろ試してお好きなお粉を見つけてください。ハナマンテンで焼くと軽くやくことができます。 世界一簡単なパン作りをお伝えします!パン作りというと力仕事で発酵が難しそう・・とネガティブなイメージが先行してしまう方も少なくないと思いますが、今回お伝えするドデカパンは手も汚れずに生地作りができ、焼成もトースターという手軽さ。もちろんオーブンでも焼けますし、フライパン、魚焼きグリルも使用可能。このパン作りを知ったらきっと明日の朝から食卓には手作りの焼きたてパンが並びます!