小麦な生活

パン工房ファリーン

東京都足立区

東京の下町、足立区梅島に隠れ家のような小さなパン屋さんがあると聞き訪ねていった。 梅島の駅から5分ほどの住宅が並ぶ小道を歩いていると、童話に出てくる様な小さなかわいい家が突然現れる。 姉の月原和子さんと、妹の上野幸子さんが切り盛りする、「パン工房ファリーン」だ。 営業日は火曜・木曜・金曜の週3日で、土曜日は不定期で営業。朝10時半に開店し、 午後4時半までの営業だが、売り切れ次第終了で、午後にはもうパンがないことも多い。 1997年にお店を始めて16年め。もともと姉妹は大のパン好きだったが、妹の幸子さんがパン作りをしていたのをきっかけに、 姉の和子さんと一緒にパン屋を始めることにした。 知り合いの大工さんに初めての仕事として担当してもらい、自宅の車庫にパン工房を建てた。 建物は非常にしっかりとした造りで、お店の看板や入り口の台はお父さんの手作りだそうだ。

ファリーンのパンは、とっても優しくて、手に取るとほんわかした気分になる。 カスタードクリームパンや、自家製いちごジャムパンは、注文を受けてからナイフで切って間にペーストを詰めてくれる。 手渡してもらう時、「お母さんがつくってくれたおやつ」を思い出すのは私(筆者)だけではないのではないだろうか。 ファリーンのお客さんは子どもからお年寄りまで幅広いため、食パン、ベーグル、マフィン、フォカッチャなど色々なパンを、 季節の野菜や果物、地元の名店の食品(甘納豆など)や町内の自然食品店で調達した素材などを使いながら作っている。 クリームやジャムも手づくりだ。お客さんの半分は高齢者で、ずっと通ってきてくれているお客さんが多い。 「アトピーの子ども向けに卵抜きのパン」「ご年配のお集まりに柔らかいミニシフォン」など手づくりのお店ならではの注文販売もしている。

和子さんも幸子さんも、二人のお子さんのお母さんだ。姉妹の子育て時期がずれたため、 お互いに仕事の量を調節してこれまでパン屋さんを続けてくることができた。 最近は時間の余裕が出てきて、パンの種類を増やしたり、アーティストとコラボでフラーワーアレンジメントのレッスン(パン&スープのランチ付)を自宅で開けるようになった。 そして、お母さんたちに「手づくりのパンやお菓子を焼いてもらいたい」と、この夏からは足立区の施設ギャラクシティのキッチンで教室を開く。

パン教室は姉妹の「食育」活動でもある。「最近のお母さんたちは甘くて高カロリーの菓子パンを毎日のように食べさせてしまうが、 子どもの味覚が形成される時期にどんなものを食べさせるのかはとても大切。 せめて食品の栄養や、安全について知識を身につけてもらえれば」。 ファリーンが香料やトランス脂肪酸が含まれないバターを使用してパンを焼いているのは、こういった考えからだ。

ファリーンのパンは、とっても優しくて、手に取るとほんわかした気分になる。 カスタードクリームパンや、自家製いちごジャムパンは、注文を受けてからナイフで切って間にペーストを詰めてくれる。 手渡してもらう時、「お母さんがつくってくれたおやつ」を思い出すのは私(筆者)だけではないのではないだろうか。 ファリーンのお客さんは子どもからお年寄りまで幅広いため、食パン、ベーグル、マフィン、フォカッチャなど色々なパンを、 季節の野菜や果物、地元の名店の食品(甘納豆など)や町内の自然食品店で調達した素材などを使いながら作っている。 クリームやジャムも手づくりだ。お客さんの半分は高齢者で、ずっと通ってきてくれているお客さんが多い。 「アトピーの子ども向けに卵抜きのパン」「ご年配のお集まりに柔らかいミニシフォン」など手づくりのお店ならではの注文販売もしている。

「町の小さなパン屋さん」のキーワード

女性の起業/「おすそわけ」のパン屋さん

女性が起業してパン屋さんを始めた理由はパンが好きだからという動機が多く、 「パンの食べ歩き→パン教室に通う→自宅で焼いて近所におすそわけ→売ってほしいと頼まれた」という経緯でパン屋さんを始める場合が多いようだ。 ファリーンの月原さん、上野さんは5人きょうだいの中の姉妹。 お母さんがお料理が上手だった影響できょうだいのみなさんは、小さい頃からお料理を作るのが大好きだったそうだ。 姉妹はパンを食べるのも大好きで、いろいろなお店のパンを食べ歩いていたという。 なお、男性はパンが好きでも自分で焼いていたことがパン屋さんになる動機につながったというケースはあまりなく、 「奥さんがパンを焼いていた」ことをきっかけに起業するなどが多いようだ。

職住接近

職住接近の働き方/暮らし方のひとつとして「町の小さなパン屋さん」が選択されている。 姉妹・兄弟や夫婦がお互いに助け合って、仕事と、子育てあるいは介護との両立ができる職業である。 家族経営であれば、週2、3日の営業や、不定期の営業など、ライフステージに合わせた柔軟な働き方の調節ができる。

週3日営業

「町の小さなパン屋さん」は、営業日が週2、3日、あるいは不定期のところが比較的多い。 育児や参観日などの都合、パン教室やイベントに出店するためなどの理由で営業日が変更になる時は、 インターネットのブログやFacebookで営業日を知らせるなどの工夫をしている。 固定ファンがついており、その柔軟さを含めてお店のよさであると理解してくれているようである。

食育アドバイザーとしてのパン屋さん

お子さんのお母さんでもある月原さん、上野さんは、お客さんの健康をお母さんが子どもや家族を思いやるような気持ちで見守っている。 食育に対する思いが非常に強いのも、そういった思いやりの気持ちからである。

パン工房
ファリーン
東京都足立区梅島1-5-19
03-3887-5955
http://ameblo.jp/farine-4054/