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コラボ授業レポート

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まちの工場見学!〜小麦が小麦粉になるまで〜 メイン写真

開催日時:
2018年03月10日(土) 10時00分 ~ 12時30分
教 室:
セントラル製粉
先 生:
竹本 清 / セントラル製粉株式会社 常務取締役
原口清次 / セントラル製粉株式会社 工場長兼業務部長
筋誡 一之 / セントラル製粉株式会社 生産部長
カテゴリ:
【食】
定 員:
15人

愛知県産小麦「きぬあかり」を巡り、5回にわたって様々な企画をしてきた大ナゴヤ大学と愛知コムギ体験隊とのタイアップ授業もついに最終回。6回目の今回は、愛知県知多市にある小麦の製粉工場、セントラル製粉さんにて、社員のみなさんに先生をしていただき、小麦「きぬあかり」が小麦粉になる、製粉の現場を見学させていただきました!

授業が始まる前から、セントラル製粉さんで実際に製粉している小麦(国産は北海道、岐阜、愛知の小麦、海外産はオーストラリア、アメリカ、カナダの小麦)の置いてある机を取り囲み、生徒さんそして小麦関係者のみなさんは、産地や生産の仕方で小麦の色や硬さがどう変わるか、などの話に花が咲き、本当に小麦が好きな方が集まっているのだなぁと実感しました。

授業が始まり、恒例の自己紹介(調理師の方や設計士の方など、小麦粉そして工場見学に興味津々の方ばかり!)の後、先生方にセントラル製粉について、小麦粉ができるまでの過程について、工場見学の注意点などのお話をしていただきました。

セントラル製粉は愛知県の製粉工場の中では新しいものだそうで(設立は昭和46年)、江南市の布袋食糧さん、半田市の尾張製粉さん、三河幡豆(現西尾市)のハラダ製粉さんの3社が、海の近くに工場があれば活用できるということで、合同で設立したそうです。(実際に港に出て、船で運ばれてくる小麦を船から吸い上げる機械や、そのままサイロと呼ばれる貯蔵庫に入れるための機械などを見せていただいたのですが、臨海工場が有利だということはよくわかりました。)

また、セントラル製粉さんには、「こうまキッチン」(こむぎこをうまくまぜるキッチン)という小麦を粉にしてから、配合することのできる設備もあり、用途や要望に合わせて、多種多様な小麦粉を作っています。

その後、小麦粉に関する映像を見て、基本的な知識を学習(多くの方にとってはおさらい?)しました。小麦の種類によって、異なる小麦粉ができるのですが、例えば硬質小麦はタンパク質が多く含まれており、強力粉になります。パスタなどに用いられるデュラム小麦も硬質小麦で、特に硬い小麦です。

逆にタンパク質がほどほどに含まれる中間質小麦は中力粉、タンパク質の少ない軟質小麦は薄力粉になります。いつも何気なく小麦粉を使っていますが、粉になる前の小麦は含まれるタンパク質の量が多いほど中に色がついています(割って断面を見せていただきました)。

映像の中ではそれらの小麦粉を水とともに捏ねた場合にできるグルテンの量が硬質小麦でできる小麦粉のほうが圧倒的に多いことが分かる実験をしており、どんな食べ物を作りたいかによって、どんな小麦粉を使うかを考えることがとても大切だと実感しました。

小麦の製粉工程は、まず貯蔵されている小麦から精選機を使って混入物を取り除き、ロール機で小麦を粉砕していきます(いくつものロール機を経て、細かく粉砕されます)。その後、シフター(ふるい)を通って、粉とふすま(皮などの部分。飼料になるそうです)に分けられ、ピュリファイヤーでさらに純化します。

これが何度か繰り返され、最終的にふるいにかけられた粉は包装され、少しの期間立体倉庫に置かれて、出荷されるということです。(タンクローリーに直接小麦粉を入れて出荷するものもあるそうです)

そして、いよいよ工場へ!

3班に分かれ、それぞれ先生の解説のもと、この工程を見せていただきました。稼働している工場を見学する(しかも間近で!)という貴重な体験でした!

まず、立体倉庫の中を見せていただきました。天井まで高く積まれた小麦粉の袋。全てコンピューターで管理しているそうです。その後、小麦粉を粉砕していくロール機。実際に動いているとすごい音で、その中で小麦がどんどん細かく粉砕されているのを見ることができました。

一番ドキドキしたのは、動いているシフターの間を通って歩いたことです。この機械では何層にも重なった篩(ふるい)を粉が通っていくのですが、機械全体が前後左右に振動しています。その間を歩くのは、目がまわるような、本当に不思議な体験でした。

この後もう一度粉砕が必要とされる粉は空気輸送で5階に送られるということで、5階には輸送された小麦粉と空気を分離する機械がありました。小麦粉は工場の中を走り回り、飛び回って、様々な機械を通って、どんどん細かくなり、ようやく製品として袋につめられ、私たちの知っている小麦粉になるのだなぁと思いました。

包装の工程では、機械に「きぬあかり」の袋をひとつひとつ設置していました。25キロきちんと入っているかをチェックし、品質に問題がないかチェックし…そしてようやく最初に見せていただいた倉庫に積まれるのですね。

工場見学後は、振り返りと感想、質問タイムです。用意していただいたのは、「ゆめあかり」を使って焼いたコッペパン!ソーセージも用意していただき、ホットドックにしていただきました。「ゆめあかり」は誕生したばかり愛知小麦の新品種、パンなどに使える硬質小麦です。

モチモチ、香りがいい、美味しい!と生徒さんからは大絶賛の「ゆめあかり」パン。今はまだ小麦粉の生産量が少なく、食べたくても食べられない貴重なパンですが、2~3年後にはパン屋さんで「ゆめあかり」のパンが買えるようになったら嬉しいです。

稼働する製粉工場を見学する貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。商品になってしまうと、使われている小麦がどこで生産され、どのように製粉され、配合されたものなのかを意識することがなくなってしまいます。

今回、全6回にわたるタイアップ授業で、愛知県には誇れる美味しい小麦から作られる美味しい小麦粉と、それを使った美味しいごはんがあることを知ることができました。ひとつのものに関わる人が本当にたくさんいることも知ることができました。「きぬあかり」「ゆめあかり」など愛知県産小麦とそれを使用した商品に、これからも是非、注目してください!

レポート:「大ナゴヤ大学」鈴木梨恵子
写真:「大ナゴヤ大学」河田朗奈

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