和麦ストーリー 
佐賀和麦「シロガネコムギ、チクゴイズミ」篇

理研農産化工株式会社
のみなさん

佐賀県はお隣の福岡県についで第3位の小麦収穫量を誇る和麦大国です。そんな佐賀の和麦事情とは?理研農産化工株式会社のみなさまにお話をお聞きしました。 『佐賀県では年間3万トンほどの小麦が生産されています。その6割が「シロガネコムギ」、3割強が「チクゴイズミ」、残りが「ミナミノカオリ」という品種分布になっています。今回「日本全国!和麦cooking教室リレー:佐賀編」でお使いいただく佐賀和麦は「シロガネコムギ」と「チクゴイズミ」をブレンドした薄力粉です。「シロガネコムギ」は1974年に品種認定をされた昔から育成されている品種。農家の方も安定して生産している品種です。』

和麦生産量の高い佐賀県は単に和麦大国なだけでなく、伝統的コムギ銘菓を育んだスイーツ大国でもあるそう。それは、砂糖とコムギが出会うこととなった歴史背景に秘密がありました。

『江戸時代お隣の長崎県は日本で貿易の拠点となっており、当時貴重だった砂糖も長崎から輸入されていました。長崎で陸揚げされた砂糖は佐賀を通る肥前街道を経て福岡へ運ばれ、京都、大阪、江戸と送られて行きました。その砂糖が運ばれていく街道は別名「砂糖の道=シュガーロード」と呼ばれています。この街道筋では比較的砂糖が手に入りやすかった。佐賀はお菓子文化が発展する環境があったんですね。ポルトガル語で「ケーキ」を意味する「ボーロ」の名前がついた「丸ボーロ」や、「逸口香(いっこうこう)」など、さまざまなコムギ銘菓が今に伝えられています。』

そのような歴史的背景の中で、「理研農産化工株式会社」は佐賀和麦と100年の歴史を共にしてきました。『今年2017年、私たちは創業100周年という節目の年を迎えます。その記念行事として、2020年の完成をめざして新たな製粉工場の建設を予定しています。通常は港に工場を建設することが多いですが、地域資源に向き合う決意から、内陸である現在の本社の敷地内に建てることを予定しています。現在は3割の佐賀和麦を製粉しておりますが、新工場では佐賀で採れる年間3万トンの全量を製粉する計画を掲げています。これまで以上に、地域の和麦に、しっかり向き合うこと。地産地消の事業モデルで、県内農業の発展に寄与したいと思っております。』

◎理研農産化工株式会社ホームページ
http://www.riken-nosan.com/index.html

佐賀和麦の基本情報

和麦名 シロガネコムギ、チクゴイズミ
成 分タンパク:8.0%
灰 分 :0.42%
粉分類薄力粉
特徴・向く料理 ・佐賀県産小麦を100%使用した薄力粉です。
・お菓子作りにはもちろん、天ぷらやその他のお料理にも幅広くご使用いただけます。
・風味が良く、モチモチとした食感が楽しめます。

佐賀和麦cookingレポート

ダッチベービー

ホーローde湯種食パン

佐賀和麦アンバサダー
古賀 智美先生

『大切な人に手作りのパンやお菓子を食べてほしい、焼き立てのおいしさは格別だから。』15年にわたり地元佐賀で手作りパンとお菓子の教室「CINQ」を開催している古賀智美先生。

今回はシュガーロードの歴史文化が根付く佐賀ならでは、スイーツ料理の和麦レッスンを開催しました。

Points of 佐賀和麦レッスン

『みなさんもご存知の通り、ここ佐賀は“シュガーロード”と呼ばれる街道からのお菓子文化がたくさん伝えられていますよね。』『そうそう、独特のコムギ銘菓もたくさんありますよね!』『カステラに似た系統の焼き菓子などが多くつくられていますね。今日はそんな歴史的背景にちなんで、いま流行りのスキレットを使った「ダッチベイビー」を佐賀和麦スイーツでつくりましょう。「ダッチベイビー」はオーブンで焼き上げるドイツ風のパンケーキです。ダッチベイビーの皮って砂糖を入れないので、甘みがないんですね。ちょうどシュークリームのシュー生地のような味わいと食感。なので、ゴルゴンゾーラを散らしてハチミツをかけて食べたりでもおいしいんです。今日はキャラメリーゼした林檎をのせて仕上げます。レッスンに入る前に、佐賀和麦のお話を理研農産化工株式会社の木原さんにお聞きしましょう!』

『佐賀県は全国で3番目に和麦の生産量が多い、実は和麦大国なんです。佐賀県で一番多くつくられている品種は、お菓子などに使われる薄力系のシロガネコムギ。続いて、うどん用として使われる中力系品種の「チクゴイズミ」。そして少量ですが、パンやラーメンなどに使われる強力~準強力系の「ミナミノカオリ」が生育されています。今回のレッスンでお使いいただくのは生産量の多い「シロガネコムギ」と「チクゴイズミ」の2品種をブレンドした100%佐賀和麦粉です。お菓子づくりにはもちろんですが、天ぷらや料理など幅広くお使いいただけますよ。』近所に畑はたくさんあるのに佐賀の和麦事情については考えたことがなかった!と、改めて佐賀和麦に興味を示す生徒のみなさん。実際に佐賀和麦に触れながら、薄力粉と強力粉のグルテンの違いなども学びます。

『さあ「ダッチベイビー」のレッスンに入りましょう。びっくりするぐらい簡単なスイーツなので、ぜひ家でも佐賀和麦で焼いてみてくださいね。あえてコツを言うとしたら、和麦はダマがないように最初にふるっておくということ。それと、ほんのひとつまみお塩を入れることによって味がしまりますので、忘れずに入れてくださいね。よく溶いた卵と牛乳を混ぜて和麦を入れて、生地はこれで出来上がり!このまま焼いてもいいんですけど、ちょっと寝かせることで滑らかになりますよ。』生徒さんたちも先生にならって生地を混ぜ合わせていきます。

『さ、これから焼き上げますが、スキレットとオーブンはしっかり予熱してください。最初の釜入れで膨らんでいくので、予熱は大事ですよ。それと、スキレットの内側全面にバターをしっかり塗ってくださいね。油を塗っておくことで生地が滑って焼き上がりのときにすーっと上がってくるの。ほら、ぷわあーっと膨らんできたでしょ。』『ほんとだ~!一気に膨らむんですね』『これがさっきお話を聞いたグルテンのチカラなのかな?!』『不思議だね~』と、和麦トークが盛り上がります。

佐賀和麦、いただきます!

『今回は上に乗せる具材に季節の果物、林檎を使ってみました。ココア生地との色のコントラストがきれいでしょ。生クリームの代わりにアイスを乗せてもおいしいですね。』『見た目も華やかでホームパーティーで作ったら盛り上がりそう!』『ココアの代わりに抹茶を入れてもおいしいですよ。分量はココアの量と一緒です』盛り付けやあわせる具材によってもバリエーションがつけられるメニューに、みなさん様々なアイデアが浮かびます。
『地元の和麦を使ってお料理をするって、なんだかうれしいですよね。みなさん自由な発想をとり入れながら、ご自宅でも佐賀和麦クッキングを楽しんでみてくださいね。』

レッスン参加者の声

  • 地元・佐賀県産の和麦100%の小麦粉を使えて、とても愛着が湧きました!

  • 改めて、佐賀が小麦の大きな生産地であることを知ることができてとてもよかったです。

  • おみやげの佐賀和麦を使ってお菓子をつくってみましたが、とても美味しい出来上がりに大変満足しました♪

  • 地元の和麦をもっと使うことで、地元小麦農家の方の応援もできる!それも和麦の良さだと思いました。

佐賀和麦を使ったレシピ

キャラメル林檎のダッチベービー

◦ 薄力粉・・・54g
◦ ココアパウダー・・・6g
◦ 塩・・・・・・ひとつまみ
◦ 牛乳・・・・・100g
◦ 卵・・・・・・2個
◦ 型用バター・・大1
[トッピング]
◦ 林檎・・・・・1/2個
◦ バター・・・・小2
◦ 砂糖・・・・・大2
◦ シナモンパウダー・・少々
[仕上げ]
◦ 生クリーム・・30g
◦ 砂糖・・・・・3g
◦ 粉糖・・・・・少々

調理時間25分/2人分

  • 1

    スキレットをオーブンに入れ200℃に予熱スタート。

  • 2

    薄力粉、塩、牛乳、卵をよく混ぜる。予熱したスキレットの型用(スキレット)のバターを内側全体に塗る。

  • 3

    2をスキレット2台に流し、200℃のオーブンで13~15分焼く。

  • 4

    3を焼いている間にキャラメル林檎を作る。フライパンにバターを熱し、縦12等分にスライスした皮付き林檎に砂糖を加え焦がし、キャラメリゼする。

  • 5

    生クリームに砂糖を加え7分立てに泡立てておく。

  • 6

    焼きあがったダッチベービーの上にキャラメル林檎とホイップした生クリームをトッピング、粉糖をふる。

レシピポイント

スキレットをしっかり予熱する。型用(スキレット)のバターを塗るときは、火傷に注意して内側全体に塗り残しがないように塗ると、ボリュームよく生地が膨らみます。