和麦ストーリー 
長野和麦「ゆめかおり」「ハナマンテン」ブレンド篇

柄木田製粉株式会社
宮崎充朗 取締役

小麦粉購入量、日本全国No.1の長野。コムギケーション俱楽部の行った「長野県のご長寿食実態調査※」では、うどんを主軸としたコムギ食が日常食として食べられていることが判明しました。長野といえば蕎麦というイメージが強い方もいらっしゃると思いますが、『“蕎麦は外のお店で食べるもの・うどんは家でつくるもの”として、ご家庭でコムギ食がよく食べられているんですよ』と長野県の製粉会社「柄木田製粉」取締役・宮崎さんは話します。

『手づくりの食卓が基本の食文化である長野で、昭和30年代ごろでは収穫する小麦の約75%が自家用消費でした。これはつまり完全に3食中1食はコムギ食、主食のひとつとして食べられてきたんですね。長野で栽培されてきた和麦は昭和60年ごろまで、料理に仕上げると食感が硬くなるような品種がメインでした。その小麦が長野人の好みの食感を決めてきたんです。長野の伝統コムギ料理であるおやきをイメージするとわかりやすいですが、硬い食感ですよね』ふるくから伝わる郷土料理とは、その地域の農作物がその地域の味わいとなったものなんですね。

『平成27年現在では、長野県では7品種の小麦が栽培されています。南北に土地面積が長く伸びていること、地域によっては標高差が1000mもある起伏に富んだ地形であること。このような地形特性によって気候にさまざまな地域差があることから、他県では珍しいほど多品種の小麦を栽培することができるんです。ただし1品種あたりの収量が少なくなってしまうことから、ご要望に追いついていない品種の小麦粉提供をどう増やすか、という課題もあります。』

「柄木田製粉」では、手づくりの食卓が根づく長野の製粉会社の使命として、コムギ料理づくりの講習会なども開いているそうです。『コムギ料理はお母さんたちが家でつくる料理として根付いてきました。でもコムギ料理って子どもも一緒になって触れると思うんです。いま、週に1度お休みの日に、家族みんなで真っ白になってうどんを打ったり、おやきをつくってみてほしいとお伝えしています。回数を重ねるうちに地域和麦と地元食材とのマッチングを知ったり、旬の産物を採り入れて食のバリエーションが広がっていく。また、そういった中でバランスのよい食生活も身につくと思います。たとえば、おやきは生地と具材が同量なので野菜がたっぷり、煮込みうどんも具材の栄養がそのまま入っていますしね。そういったコムギ料理を“つくる体験”を通して食の豊かさを感じていただけると、とてもうれしく思います。』

● 柄木田製粉株式会社HP
 http://www.karakida.co.jp/
● コムギが長寿を調査する!プロジェクト:長野篇
 https://comugication.com/choju/nagano.html

長野和麦の基本情報

和麦名ゆめかおり、ハナマンテン
商品名華 梓
成 分タンパク:10.5%
灰 分 :0.42%
粉分類強力粉
特徴・向く料理 ブレンドされている「ゆめかおり」小麦は長野県産強力小麦です。長野県産小麦100%のブレンドで、味わいのあるパンや中華麺用としてお使いいただけます。

長野和麦cookingレポート

長野和麦アンバサダー
小笠原由貴先生

ワインやチーズに造詣が深い和麦アンバサダー・小笠原由貴先生のレッスンは、パンをメインにしながら、マッチするお料理からデザートまでをトータルで学べる教室です。集まる生徒さんたちはリピーターの顔なじみが多くいそうで、“仲がよいお友だちたちとのお茶会レッスン教室”といった、和気あいあいとした雰囲気。小麦粉の生地を触る手つきは慣れている方も多くいらっしゃいますが、今回は特に「和麦」としての感触を実感してもらいます。

Points of 長野和麦レッスン

『今回を使う小麦粉「華梓(はなあずさ)」は、「ゆめかおり」という品種を中心に長野和麦をブレンドして強力粉タイプに仕上がっている粉です。10.5%のタンパク成分含有量で、パンにもお菓子にも使いやすいんですよ。今日はイタリアの包み焼きピザ「カルツォーネ」と長野の郷土コムギ料理「うすやき」、それにヨーロッパや北米でよく作られる素朴なスイーツ「ベニエ」にトライしていただきます。』まずは、カルツォーネの生地づくりからスタートです。 『先生、生地を混ぜる際にコツはありますか?』『ありません~(笑)。こねている時にある程度ダマ感があっても大丈夫。オートリーズ(生地を休める時間)を多めに取る生地なので、自然になめらかになってくれます。』実際にオートリーズ後の生地を確認すると、つぶつぶ感が消えて見るからに滑らかな生地表面に。『小麦粉って不思議~。小麦の生地って生きものみたいですよね』

『次に作るのは信州の郷土料理、うすやきです。これ、フランスに旅行に行った時に現地の方に出していただいた料理にそっくりなの!コムギ料理って世界でつながっているんだなって感じました。うすやきのポイントは、生地の硬さ。あまり硬いと厚焼きになってしまうので注意しましょうね。』『先生、うすやきって混ぜるだけでできちゃうんですね。これはうれしいレシピ!』

ピッツァ生地に、お料理に、お菓子にと次々に七変化する長野和麦。最後はふんわり軽いスイーツ、ベニエです。『ベニエはヨーロッパや北米で作られることが多いスイーツです。さっくり仕上げるために、最初からバターを入れることがポイント。』仕上げた生地は、ドーナツづくりのように油で揚げます。『揚げるとぷっくりして、かわい~。』『香ばしい匂いもたまらないね~』

長野和麦、いただきます!

『生地の上にさらにソースを塗って仕上げるカルツォーネは日本では珍しいかもしれませんが、イタリアでは結構よく見られるんですよ。』と、小笠原先生。『このカルツォーネ、サックリ、モッチリ、ふんわり~!!』『うすやきはとっても簡単で作りやすくて、おつまみとしてもいいわよね♪』『ベニエの揚げあがりも、生地がきめ細かく仕上がってる。和麦って、すごいかも!』長野和麦トークに花が咲いて、レッスンが終わった後もそのままお茶会はしばし続きました♪

レッスン参加者の声

  • 国産小麦のおいしさ、よさを再認識しました。今度から意識的に購入したいと思います!

  • 外はパリッとしていて香ばしく、食感はもっちりで、生地はしっとり。とても好きな粉でした。

  • 国産なので安心して食べられます。しかも“うまみ”がしっかりあって、とってもおいしかったです。

  • 上品な甘みがあって、かむほどに“うまみ”が増して美味です♡

  • とてもおいしかっただけに、入手しづらいのが残念です~。見かけたら購入したいです。

長野和麦を使ったレシピ

包み焼きピッツァのカルツォーネ

○華梓・・・・・・・・・・・200g
○イースト・・・・・・・・・0.6g
○塩(生地用)・・・・・・・・・4g
○水・・・・・・・・・・・・118g
○リコッタチーズ・・・・・・約100g
○トマトソース・・・・・・・約100g
○フレッシュモッツアレラ・・1/2個
○フレッシュバジル・・・・・10枚くらい
○サラミ・・・・・・・・・・約100g
○オリーブオイル・・・・・・適宜
○塩(トッピング用)・・・・・少々

調理時間約15分/2人前

  • 1

    こねあげ:ボウルに水とイーストを入れて溶かしたところに華梓と塩を加え、ひとつにまとめる。台の上に出して50回ほど体重をかけて捏ねたら、ボウルに戻してラップをかけ、20~30分休ませる。その後、生地がなめらかになるまで4~5回捏ねる。

  • 2

    分割・丸め・発酵:生地を2等分に分割して丸め、薄く打ち粉をふったバット等に並べてラップをし、冷蔵庫に一晩入れて発酵&熟成させる。

  • 3

    成形:食べる1~2時間前に生地を冷蔵庫から出して常温に戻し、直径30㎝ほどの円形にのばす。生地の下半分に、リコッタチーズ、トマトソース、スライスしたモッツァレラ、サラミ、バジルをのせ、オリーブオイル、塩をふる。具ののっていない生地の上半分を上からかぶせ、縁を閉じる。同じ具をさらに上にトッピングする。

  • 4

    焼成:最高温度(250℃以上)にしっかりと予熱しておいたオーブンに入れ、6~8分、こんがりするまで焼いて出来上がり。

レシピポイント

・生地を丸めた後にしっかりと時間を置く事で生地が熟成されて美味しくなります。
 冷蔵庫で2晩くらい寝かせるとより美味しくなります。
 その場合はイーストを0.4gに減らします。
・トッピングの具はお好きなものでどうぞ!
・成形の最後にオリーブオイルをかける事で、焼き色やツヤが良くなります。
・とにかく高温で焼く事が大事です。